モーラとアクセント
- 語句というものは、言語を問わず音声的に全て(一個またはそれ以上の)シラブルの連鎖である。ところが日本語では、シラブルの傘下に在るモーラがシラブルを超えて語句の長短を決めるので、語句はシラブルの連鎖である以上にモーラの連鎖である。
- 音と音の違いには、音質や強弱の違いのほかに、高さの違いがある。漢語系諸言語では、高さの違いは、いわゆる声調として非常に重要であるが、日本語でも、この違いは、いわゆるアクセントとして重要である。但し日本語のアクセントとは、モーラ連鎖によって形成される高低のパターンであって、漢語系諸言語の声調のような、シラブル固有のメロディーのパターンではない。
- 具体的にはモーラが「より高い」もの(High より H と記号化)と「より低い」もの (Low より L と記号化) とに分かれるため、モーラ連鎖は、結果的に H と L の連鎖(HL連鎖)として明示できるパターンを形成する。そのようなパターンが日本語のアクセント(アクセント単位のアクセント型)である。
- 例えば北海道(ホッカイドー CVQCV-GCVR)というモーラ連鎖が作る一個のアクセント単位のアクセント型は LH.HL.LL である。(肉太はアクセント核、ドットはシラブル境界)
Q
関東地方の一都六県全部につき、(接尾語「県」などを付けない時の)それぞれの名称のアクセント型を、上記の要領で(普通表記、片仮名表記、およびシラブル構造を含めて)表示しなさい。(複数の可能なアクセント型があれば任意に一種を選ぶこと)
A
東京 トーキョー (CVRCGVR) LH.HH
神奈川 カナガワ (CVCVCVGV) L.H.H.H
千葉 チバ (CVCV) H.L
埼玉 サイタマ (CV-GCVCV) HL.L.L
茨城 イバラキ (VCVCVCV) L.H.L.L
栃木 トチギ (CVCVCV) H.L.L
群馬 グンマ (CVNCV) HL.L
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