HL の交替
- 日本語の音素には「五十音」を構成する「分節」音素のほかに各モーラから切り離せない H または L と表示できる「超分節」音素がある。この H と L の分布によっていわゆるアクセントのパターンが作られるのであるが、その交替ももちろん異形態的差異の原因となる音素交替である。
- たとえば「火山」「灰」「火山灰」と漢字で表記される三つの語は仮名で表記するとそれぞれ「カザン」「ハイ」「カザンバイ」となる。「灰」における「ハ」と「バ」の交替以外に音素交替はないように見えるが、実はもっと多様な交替が起きている。明示すると次のようになる。
(カザン HLL)(ハイ LH)→ (カザンバイ LHLLL)
- つまり「カザン HLL」が「カザン LHL」に、「ハイ LH」は「バイ LL」に変換されてしまい、それで「火山」と「灰」には「カザン HLL」「カザン LHL」および「ハイ LH」「バイ LL」がそれぞれ異形態として存在する(「火山」を単一の形態素とせば)と言えるのである。
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