連濁と漢語 (2006/2/23)
- 日本語の連濁 (sequential voicing) と呼ばれる形態音素交替 (morphohonemic alternation) は、和語で一番起こりやすく、漢語では部分的に起こり、いわゆる外来語では外来語という意識が特に薄い「カルタ」 (「いろはガルタ」) や「カッパ」 (「雨ガッパ」) など以外には起こらない、といわれている。
- 連濁の起こる漢語のひとつが山 (サン) で、「火山」「氷山」「高山」「名山」などの普通名詞では例外なくザンとなるようである。しかし固有名詞では「富士山」と「比叡山」に見られるように読み方が分かれる。
Q
「富士山」タイプと「比叡山」タイプの山の名をそれぞれ五個挙げなさい。(知名度が低いと思われるものは発音の根拠と山の所在地をも示すこと)
A
(1989 講談社「日本語大辞典」より)
「富士山」タイプ
- 男体山 「なんたいさん」 (本州/関東)
- 白根山 「しらねさん」 (本州/関東)
- 剣山 「つるぎさん」 (四国)
- 石鎚山 「いしづちさん」 (四国)
- 天目山 「てんもくさん」 (中国/浙江省)
「比叡山」タイプ
- 大雪山 「たいせつざん」 (北海道)
- 羊蹄山 「ようていざん」 (北海道)
- 久能山 「くのうざん」 (静岡県)
- 天王山 「てんのうざん」 (京都府)
- 天目山 「てんもくざん」 (山梨県)
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