Sunday, October 02, 2005

弁別的素性(2005/10/06)

  • 分節音は大きく分けて、(単独でよく聞こえる)主体性のあるもの(IPA の [a] など)と、そうでないもの (IPA の [p, b] など)とがある。いわゆる母音(Vと記号化)子音(Cと記号化)である。つまり分節音にとっては、主体性の有無は、各分節音を特徴づける種々の特質の根本となる特質である。
  • 分節音を特徴づける特質は分節音の弁別的素性 (distinctive features) と呼ばれ(素性は略称)、n 個の素性に対する正負値(素性値)の組み合わせで、(数学的に)2 の n 乗に等しい数の分節音を弁別することができる(素性値の連動を含む依存関係の偏りにより、実際は2 の n 乗以下)。
  • 例えば母音については、high (高舌)、 back(後舌)、 low(低舌)、 round(円唇) の四素性だけで(数学的に)16 (実際にはそれ以下)の母音が弁別される。
Q
IPA の [i, u, e] を特徴づける素性値の必要且つ十分な組み合わせがそれぞれ [+high, -back, -low, -round] [+high, +back, -low, +round] [-high, -back, -low, -round] であること(すなわち +---、++-+、----)より、[o] を特徴づける素性値の必要且つ十分な組み合わせを推定しなさい。
A
[-high, +back, -low, +round] と推定。つまり high, low (縦軸関係)についての [e] との共通素性値と、back (横軸関係)および round (唇の丸み)についての [u] との共通素性値より、 ( [i] とは縁遠いが) [e, u] のどちらとも比較的近いということ。

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