促音と撥音の特質(2005/11/03)
- V, CV, および GVタイプの仮名が五十音図のいわば正メンバーであるが、これ等ばかりが日本語の仮名ではない。例えば「出版」という語の表記には促音(Qと記号化) および撥音 (Nと記号化) と呼ぶ欄外の仮名をも使用せねばならない。
- 促音 (Q) と撥音 (N) の最も重要な特質は、V と同じく、俳句などで「字音」として勘定されることである。しかし主体性を持たない点においては C, G と同類である(例外的に主体性を持つ場合の「ん」を除けば)。
- 主体性の有無と無関係に「字音」として勘定され、結果的に語句の長短を左右する要素、それが日本語のモーラである。
- 分節音のそのような特質はモーラ性または音拍性と呼ぶことができる。Q と Nは(一般的に)主体性を欠きながら V と同様にモーラ性を持つ特別な分節音なので「モーラ音素」と呼ばれている。
Q
古池や蛙飛びこむ水の音 は記号 V, C, G, Q, N だけを用いる書き換えにより次のように分析される(記号間のドットはモーラ境界)。
フルイケヤ カワズトビコム ミズノオト
CV.CV.V.CV.GV // CV.GV.CV.CV.CV.CV.CV // CV.CV.CV.V.CV
同じような分析を ぬかづけばわれも善女や仏生会 に対して行いなさい。
A
ヌカヅケバ ワレモゼンニョヤ ブッショウエ
CV.CV.CV.CV.CV // GV.CV.CV.CV.N.CGV.GV // CV.Q.CGV.V.V
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