Wednesday, November 21, 2012

モーラとアクセント


  • 語句というものは、言語を問わず音声的に全て(一個またはそれ以上の)シラブルの連鎖である。ところが日本語では、シラブルの傘下に在るモーラがシラブルを超えて語句の長短を決めるので、語句はシラブルの連鎖である以上にモーラの連鎖である。

  • 音と音の違いには、音質強弱の違いのほかに、高さの違いがある。漢語系諸言語では、高さの違いは、いわゆる声調として非常に重要であるが、日本語でも、この違いは、いわゆるアクセントとして重要である。但し日本語のアクセントとは、モーラ連鎖によって形成される高低のパターンであって、漢語系諸言語の声調のような、シラブル固有のメロディーのパターンではない。

  • 具体的にはモーラが「より高い」もの(High より H と記号化)と「より低い」もの (Low より L と記号化) とに分かれるため、モーラ連鎖は、結果的に H と L の連鎖(HL連鎖)として明示できるパターンを形成する。そのようなパターンが日本語のアクセント(アクセント単位アクセント型)である。

  • 例えば北海道(ホッカイドー CVQCV-GCVR)というモーラ連鎖が作る一個のアクセント単位アクセント型は LH.HL.LL である。(肉太はアクセント核、ドットはシラブル境界)

Q

関東地方の一都六県全部につき、(接尾語「県」などを付けない時の)それぞれの名称のアクセント型を、上記の要領で(普通表記、片仮名表記、およびシラブル構造を含めて)表示しなさい。(複数の可能なアクセント型があれば任意に一種を選ぶこと)

A

東京 トーキョー (CVRCGVR) LH.HH

神奈川 カナガワ (CVCVCVGV) L.H.H.H

千葉 チバ (CVCV) H.L

埼玉 サイタマ (CV-GCVCV) HL.L.L

茨城 イバラキ (VCVCVCV) L.H.L.L

栃木 トチギ (CVCVCV) H.L.L

群馬 グンマ (CVNCV) HL.L